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*附属回路
 下記にあるように大出力の2次電池では「過放電」という厄介な問題がある。あらゆる2次電池(=充電式)は、とことん空になるまで電気を取り出すと過放電に陥り、その後充電を行おうとしても、充電ができなかったり、貯蔵電気量が大幅に減少したり、あるいは内部抵抗が上昇したり(発熱が大きくなる)、最悪、充電中に爆発したりする(ニッケル水素でも)。
  
 この危険を回避するために、チャージポンプ入力側に電圧検出が設けて、一定以下の電圧では動作を停止したり、起動しないようになっていたりする。前者を最低動作維持電圧、後者を最低起動電圧と呼ぶが、この回路を搭載している場合、最低動作維持電圧<最低起動電圧 になるように回路デザインし、最低動作維持電圧は想定されるバッテリーの過放電電圧を考慮する。例えばニッケル水素×2=2.4Vの想定なら、過放電電圧0.7V×2=1.4Vということになる。
  
 このような設計の懐中電灯で、ニッケル水素バッテリーで運用することは、非常に快適だが、アルカリ電池などでは、電池容量が多少残っていても起動できない。逆にこのようなデザインになっていない懐中電灯でニッケル水素をとことん使い切ると、電池がダメージを受ける。*多くのチャージポンプ回路ではこのような配慮をしない場合、最低起動電圧は0.5~0.7V程度になる。

 過電圧保護:想定される電池電圧よりも高い電圧を印加した場合、この配慮がない場合、C1、C2の回路ではチャージポンプやLEDが焼損する可能性があるが、この保護や想定は、一部の機種にしか搭載されていない。したがって、普通の単3サイズの1次電池や2次電池を想定した懐中電灯に14500などのリチウムイオンを使用すると何が起きるか(大抵はオーバーヒートや焼損、まれに爆発)わからないので、下記のように電流を測り判断する必要がある。

*附属回路2
  減光および点滅機能
高出力な懐中電灯では下記の表のように、1Cまたはそれを超える電流値で動作している。明るければよい!、とはいえ1時間以下しか使用できないばかりか、激しい発熱を伴うモデルが多い。これらのいくつかのモデルでは、明るさを減光したり、点滅させることで消費電流と発熱を抑え、長時間の運用に耐えるモードを持たせているものがある。

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