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チャージポンプ(DC-DCコンバータ)
 上記のLEDの説明のように、白色LEDを点灯するには、最低でも3V、強い発光を得るには4V以上も印加しなければならない(電圧というより、必要な電流を流すにはその電圧が必要という意味)。

ところが電源である電池の電圧は、ニッケル水素で1.2v、1次電池の多くは1.5v、リチウムイオンをもってしても3.6v、とやや不足気味で、低価格のLEDライトの多くが単4電池×3本(=4.5v)というのはここに根拠がある。

しかしこれもニッケル水素×3本では3.6vにしかならず、十分な明るさにはならない(LEDの定格電圧は3.6vと表示されているが、強い発光を得るには定格よりも高い電圧が必要)。*中にはリチウムイオンを2本以上用いていたり、乾電池6本用のモデルもあるが、これらでは電圧が高すぎるので、降圧型のDC-DCコンバータを用いる。

 そこで高出力LED懐中電灯の多くでは、この電源電圧を必要な電圧に昇圧する回路を内蔵し、LEDを明るく光らせるが、何に着目するか(使用目的の設定)、という問題で様々な回路デザインが存在している。

電池電源は直流なので、そのままでは電圧を上げることはできない。電圧を上げるには一旦直流を交流に変換し、コイルのインダクタンスを利用するか、トランスによって昇圧するか、コンデンサに並列充電→直列放電(倍電圧回路)などの工夫が必要である。他にも電圧を上げる方法はいくつかあるが、効率の問題を考えると、この3種になるようだ。

これらの回路は総じてチャージポンプあるいはDC-DCコンバータと呼ばれる。一見敷居が高そうに思えるが、この技術は現在のテクノロジーの先端であり、専用のIC(わずかな外付け部品で使え、安価)や、それを利用したアクセサリーが豊富に出回っている(電池式携帯電話充電器など)。

 しかし、上記したように何に着目するか(どのような使用目的を設定するか)によって様々な選択肢があるし、実際の製品においても外観からそのことはわからない。


C1)単なる昇圧型
 単に効率よく電池電圧をLEDに必要なおよその電圧に昇圧し、適当に光らせる。このタイプは電池電圧を力任せに昇圧するため、2次側(チャージポンプの出力)の電圧が不安定で、LEDとチャージポンプの間の接続が不完全な場合、しばしばLEDを燃やしてしまう。

これは、接続が切れている瞬間にチャージポンプの出力電圧は十数Vまで上昇し、接続が回復した瞬間に大電流と過電圧でLEDが焼損するためだ。ブレッドボードなどでテスト中に焼損するのは、このタイプが多い。
  
 チャージポンプの入力電流は電池電圧に比例する傾向があり、LEDの点灯具合で言うなら、電池が1本あるいは消耗しているときには消費電流は減り(つまり暗い)、電池の本数が増えると(あるいはリチウムイオンなどに変更すると)消費電流は増え明るく光る傾向がある。電池消耗に対してだらだらと暗くなりながら長時間光り続ける。


C2)出力電圧安定型
 回路に何らかの出力電圧検出部分とそのフィードバックを含むタイプで、原理的には電池電圧には無関係に一定の出力電圧を保とうとする。しかし現実的には回路が保とうとする電圧はLEDの消費電流の大きさと、チャージポンプの入力インピーダンスの問題で、一定には保たれず、実際に出力電流などのバランスをみて調整することになる。携帯電話用の携帯充電器の流用や、汎用部品で最も作りやすいタイプになる。

 チャージポンプの入力電流は、原理的には電池電圧に反比例する傾向(電圧が低いときには電流値は増え、電池電圧が高いときには電流値が減少する)はずなのだが、多くの場合、緩やかなその傾向にはなるが、様々な要因でおおよそ一定に近い入力電流になるようだ。C1のようなLEDの焼損は起きにくい傾向がある。
 
 電池の消耗に対して、LEDの光出力はある程度の変動はあるものの、C1よりもメリハリ効いた(消耗が一定以上進むと、急速に暗くなる)光り方になる。


C3)出力電力安定型
 出力電圧だけではなく、出力電流(=LEDの消費電力)を検出し、チャージポンプにフィードバックするタイプ。一定の入力電圧範囲では、チャージポンプの入力電流は電池電圧にほぼ反比例する。電池に残存容量がある場合、常に一定電力を引き出そうとするため、電池の消耗末期には、次第に大電流になるが、LEDの光り出力はあまり変化せず、突然消灯する。


C4)入力電流制御型
 様々な種類の電池(広範な電源電圧)が想定される場合、出力にのみ注目し安定化したのでは、そのツケは電池にまわり、危険な運用や安定な動作が見込めない場合がある。このような想定の場合、入力電流値がおおよそ一定になるようにチャージポンプにフィードバックを返す設計もあるが、結果的に明るさそのものは2の次になる傾向がある。

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