DP-5Vのリペアー


(C)Y.Utsunomia


 前稿「DP-5Vがやってきた」の中で、回路解析などを行い、弱点や問題点を予想してみたが、実際に故障している実機を調べてみなければ実態はわからない。

 当時私はツイッターなどをやっていなかったし、ツイッターしている現在でもあまり見られているとはいえない状況なので、SF作家の野尻抱介氏に呼びかけていただき(何とも甘えた・・・)、故障機を提供してやろうという方を探してみた。
その結果、現時点で4名の方が応募いただき、貴重な情報と処方を得ることができた。現在はまだその数が少ないことから、一般的な故障パターンを網羅したとは到底言えないが、傾向を知るのに多少は役立ちそうだ。


 

☆症状小見出し

 *すべての測定レンジでメーターが異常に振れている・・・CI-3BG不良
 *低線量3レンジでメーターが異常に振れる、またはカウントしない・・SBM-20不良
 *振動や、スイッチ切り替えで、表示がふらつく、ランプが明滅・・電池ボックスの接触不良
 *▲モードで表示がふらつく、▲モードでメーターが振れない。
 *▲モードでそれ以外の挙動不審
 *一見正常に動作しているように見えるが、どのレンジも実際の値の2~3倍の計測値になる。

 

*症状1

○入射線量は普通のBG程度のはずなのに、すべての測定レンジでメーターが中ほどから振り切れになる。[症状1]

○または、電源投入時には正常なメーター表示なのに、しばらくすると(あるいはプローブ内臓線源を測定すると)、
 メーターが振れっぱなし、または振り切れっぱなしになる。 [症状2]

○このときにメーターリセットボタンを押しても、一旦は表示が下がるが、すぐに元の振れっぷりに戻る。
 ☆▲モード(電源チェックモード)で、通常よりも低めの指示や不安定指示が出ることもあり。

○多くの場合X0.1、X1、X10の3レンジで、ヘッドホンからは正常なカウント音が聴こえる。


*原因(高線量ガイガー管:CI-3BGの不良に起因するもの)
 プローブの中の、高線量用ガイガー管CI-3BGが不良。[症状1]の場合は管内のリーク(管の外部や、基板の場合は無水アルコールによる拭き清めで回復するが、預かった故障機ではいずれも、管内の問題であった・・・つまり管の交換が必要)。
[症状2]の場合は、CI-3BGが一度でも放射線を検出し放電が始まると、正常なら瞬間後には放電が停止するべき(クエンチングにより)ものが、クエンチ不良で放電しっぱなしになるという、いわゆるクエンチ不良。


*対応
 CI-3BGを交換する。
 幸いなことにCI-3BGはガイガー管が高騰する中、相変わらず安値なので、DP-5V用にCI-3BGを何本か予備として在庫しておくべきかもしれない。

 CI-3BGの在庫が無いが、DP-5Vを使用する必要がある場合は、プローブを開き、CI-3BGを抜き去れば、そのままX0.1、X1、X10の3レンジは使用可能。*ただし計算上は1%内外、低く表示される。


解説
 CI-3BGがそれほどの故障率とは予想していなかった。それはこの管が、高線量専用の管で、計数率が非常に低い設計になっていて、しかも全ガラス封止なので、先入観で「こんな管壊れるわけ無い」という思い込みがあった。低計数率であっても寿命は内部ガス組成と、有効電極面積で決まるため、見掛けよりも短命のようである。
 現在ネット上の製作例の中には、相当な高電圧を印加し、無理に計数率を上げるような例があるが、要注意のようだ。
 また、DP-5Vでは、CI-3BGは6つの全てのレンジで動作しているので、余計に短命なのかもしれない。

参考>ちなみにSBM-20とCI-3BGは同じソビエトでも異なる都市の異なる会社の製造。

 見分け方は、200R/hのレンジは特別なレンジで、ほとんどの信号処理系の回路がバイパスされる。このレンジで異常な挙動がある場合、その原因はこの管か、高圧電源のどちらかということになる。(「DP-5Vがやってきた」を参照)逆に200R/hのレンジでは正常の場合、CI-3BGは正常であるかもしれない。

 ☆信憑性は疑わしいが、クエンチ不良のガイガー管を復活させるのに、ガイガー管を丸ごとオーブンか湯煎(水が入らないようにして)で70~80℃、20分程度加熱すると有効、という話を聞いたことがあるが、未検証です。上記症状のようなクエンチ不良の管をお持ちの方は、ダメモトで試してみてはいかがでしょうか。




*症状2 (今回の故障機には無かった)

 ○X0.1、X1、X10で、まったく反応が無い[症状3]
 ○同、メーターが振れっぱなし、
 ○同、メーターが振り切れっぱなし[症状4]
 ○同、ヘッドホンからカウント音は聴こえない。かすかに高圧電源のキーンという発振音が聴こえる
 (聴こえない場合も有)。
 ○同、プローブ内臓のストロンチウム90にも反応しない。

*原因・対応
 低線量ガイガー管のSBM-20が故障している。
 [症状3]の場合は、管の気密破れ( 外気浸入 )が、
 [症状4]の場合は、リークが疑われる。リークには管内と管外である基板やその他の部品の可能性もあるが、
 とりあえずSBM-20を交換してみる。もし症状が無くなれば、SBM-20の不良を断定できるが、改善しない場合は、
 周辺回路(高圧電源や R3=5.1MΩ)をあたる。(SBM-20をはずしてみてメーター振れっぱなしが無くなれば、
 SBM-20のリークの可能性が高い)

解説
 DP-5Vでは、2本のガイガーミュラー管は、いずれもソケットにマウントされている。これは直接の半田付けが管にとって有害ということもあるが、DP-5Vが異常な挙動を示すときに、まず管を交換してみて様子をみる・・ということなのかもしれない(あるいは管をはずしてみて様子をみる)。
管からの信号を受け取り増幅するサイラトロン(V1、V2)が不良になることもありうるが、ガイガー管からの信号はC1とC2により直流的には隔離してあり、万一ガイガー管に異常が起きても、サイラトロン以降の回路を保護するように考えられている。
*管を交換するときに、くれぐれも素手でべたべたと触りまくらないように注意してください。
*本来、管は消耗品扱いです。



*症状


○振動を与えたり、スイッチを切り替えると、不安定に表示が動いたり[症状5]
 あるいはメーターのランプが明滅[症状6]する。

*原因
 多くの方が「スイッチの接触不良」を疑われるようですが、DP-5Vに採用されているスイッチは軍用グレードの密閉式の高級品で、滅多なことでは接触不良にはならないようです。
一見するとスイッチの接触不良に見える症状があるが、今回の故障機4台にはまったく無かった。まったくその可能性が無いとは言えませんが、十分に配慮された素材を使用し、耐久性も考慮されているようです。しかし、接点はおそらく銀系(もしかするとパラジウムかもしれない)であろうから、温泉や火山地帯(硫化物ガスに弱い)では使用に気をつけたい。
 この症状は調査した4台のうち数台に見られたが、原因をあたってみると、電池ボックスの構造に起因するものと、高圧電源の不良によるものであった。スイッチを疑うのはその後でよいだろう。

[症状5]
 電池ボックスの構造は、電池との接触電極を、本体ボディーを貫通するリベットで電気を内部に引き込むかたちになっていて、経年変化でボディーの微妙な変形、収縮などでリベットと接触電極、本体内部リベットと端子盤の接触が悪化しているものがあった。この構造は、電池ボックス内で電池が漏液しても、内部に被害を及ぼさないための配慮と、生産性への配慮と思われる。

[症状6]
 日本製の電子機器の場合、電源は1系統に集約され、メインスイッチひとつですべての電源の入り切りができるものだが、DP-5Vで、本体の電源とメーター照明ランプはまったく独立した回路になっている。回路ばかりか電池も独立していて、2本隣接している方の電池が本体測定系の電池、1本離れた配置の電池がメータ照明用の電池である。スイッチも独立していて、ゴムカバーつきのトグルスイッチはメーター照明専用の電源スイッチ、ロータリースイッチは測定系専用のスイッチで、相互に何の関連も無い。
 したがって症状6のランプ明滅は、本体回路とは無関係で、電池ボックス電極部リベットまわりか、本体内部の電球ソケット部分の接触悪化と考えられる。

 ☆[症状5]の場合、高圧電源系の故障の可能性があります。またガイガー管の中には振動に反応するような劣化のものも稀に存在します。

*対応
 電池ボックスについては、製造後の年月が相当に経過しているので、予防的に補強しておくことも必要かもしれません。

☆補強の方法
 いくつかの方法を試してみましたが、下手な処理はかえって症状を悪化させる場合もあるので、ご注意下さい。

 電池接触電極のそばに、ピンバイスなどで1mmの穴を開けて、電池ボックスの接触電極と内部ターミナルを、スズメッキ線などで直接配線半田付けする。


写真1:補強前



写真2:補強後
   

 リベットと接触電極を直接半田付けしたくなりますが、リベットのハンダのノリが悪く、ボディープラスティックが溶け、かえって状況を悪くするので、もし、ハンダ付けに自信が無く、接触電極にガタが無い場合は「予防的処置」は見送る。リベット/電極間に錆びなどが見られる場合は対策が必要。

☆DP-5Vの消費電流は小さく、また電圧低下に対しても電池2本で1.2v程度でも動作するので、くれぐれも自信が無い場合は見送ってください。

 メータ照明ランプですが、その電球ソケット部分の接触不良は多く見られます。
対応は簡単で、ボディーを開き(開け方参照)、豆電球をはめ込みなおせばたいていの場合直ります。はめ込みなおす際に、一旦メイン基板をはずすと作業が楽になります。不精して基板を付けたままはめ込みなおそうとすると、電球を壊してしまう場合があるので注意。通電中にメイン基板に触れると、かなり強く感電するので(死亡するほどではないが)、十分に注意。

☆電源を切り(○モードにして)2~3分後には、まだ電圧は残っていますが、感電するほどではありません。




*症状


○電池は新しいのに、▲モードでメータが十分に振らず、数分かけてゆっくりと上昇していく[症状7]。あるいは振り方が不安定。

電池は新しいのに、▲モードでかすかにメータが振る、あるいはまったく振らない。スイッチをガチャガチャと、測定モードに入れたり▲に戻したりしていると、規定のところまで振る[症状8]

*原因(電池ボックスの接触不良をのぞく)
 症状7と8は似ているが、原因は異なる場合が多い。注)高圧電源がらみという点では共通するが。
[症状7]は、高電圧を一時的に蓄え安定化しノイズを低減するためのコンデンサC12またはC10に電流の漏れや、静電容量の不安定(要するに劣化)があるためで、原則としてこのコンデンサを交換するしかないようだ。原因がどちらのコンデンサなのかは、判断が難しいが、故障例ではC12の不良のほうが多かった。またこれらのコンデンサが完全に劣化し、ひどいリーク状態になると症状8のようになる場合もある。

[症状8]高圧電源の起動不良
今回の調査で、管の不良とともに、私が最も経験したかった故障。
DP-5Vの高圧電源は、トランジスタ1石によるブロッキング発振(写ルンですのストロボ回路と大差無い・・・より小電力・高安定)で、これに高電圧検出(定電圧放電管)と発振制御回路(FET)を追加し、安定な400vを得ている。
 ブロッキング発振は自励発振なので効率が良いが、発振強度を滑らかに変化させることが難しく(発振に関わるパラメーターが多いため)、負荷条件や、電源条件により発振周波数や強度が「穴に落ちた」状態(発振が異常に弱まって、強度回復できない、あるいは最悪の場合発振停止)になることがよくある。
 DP-5Vでも、高圧側のインピーダンス、発振トランジスタの特性の変化などの組み合わせで、起動時に正常な電圧に至る途中で、発振状態がリニア範囲から逸脱し、電圧が数十V以上にならなくなってしまう、という症状が見られた。

*対応(症状7の場合)
 C12(0.1μF/750v)を同等のコンデンサと交換する。オリジナルではサイズや形状からオイルコンデンサの一種「PCB」を用いたコンデンサのようだが、同じものはPCBの使用禁止から入手できないし、その必要も無い。耐圧1000Vのフィルムコンデンサなどが使用可能。静電容量は、本来0.1μFであるが、0.2μF程度でも問題なく使用できる。逆に0.01μFのように小さいと、高電圧のふらつきなどの原因となる。

*対応(症状8の場合)
 根本的には特性の変化(劣化)した部品をすべて新品にすれば、おそらくは回復するのだろうが、現実的にDP-5Vでそれは不可能である。
「穴に落ちた」穴とは2次側高圧回路のインピーダンスが、発振周波数において低すぎる状態で生じることを確認。低すぎるインピーダンスが周波数の変移なのか、コンデンサの劣化によるものなのか、発振トランジスタのIcboの増大(後述)なのかは判然とはしなかったが、2次側高圧回路のインピーダンスの下限を設定することで発振は穴に落ちずに安定動作することも確認。

画像1:回路図
  

処方は高圧ダイオードに直列に10KΩの抵抗を挿入するだけ。実際の回路基板では、スペースの問題から、ダイオードも現代のファーストリカバリ・ダイオード(1000v/1A程度)に交換し、それと10KΩを直列にした部品を基板にマウントする。

これにより2次側回路がどのようにインピーダンスが下がり(あるいは共振)しようと10KΩがリミッターとなり、強い発振を維持できるようになります。(専門的にはQを下げる・・)

ここに直列抵抗として10KΩを挿入すると、高電圧の供給能力や、高電圧の電圧そのものに影響を与えるのではないか、という心配をされるかもしれませんが、その後の脈流吸収C12・R26・C10では直列に430KΩが入っているため、10KΩの挿入によって低下する電流供給能力はわずかと言えます。また、電圧は、その後に接続される定電圧放電管からのフィードバックにより安定化されているため、有意な電圧低下は見られません。

☆交換は、先ず部品を用意し、元のダイオードを取り外すが、取り外す際に基板半田面に直接半田ごてを当てても、絶縁強化のための塗布物があり、なかなかハンダが溶けない。せっかくの絶縁強化なので、できるだけ塗布物を傷めずに交換すべきで、それには部品面から加熱し、ダイオードの足を片方ずつ抜き取ると、きれいに仕上げることができる。

☆参考
 今回寄せられた故障DP-5Vの中には、繰り返し内部のメンテナンスを受けたものが含まれていた。定番の故障(これはDP-5Vに限らず、プリント基板を使う多くの機材で)は、ハンダ付け部分のひび割れ(目に見えないほど小さいことが多い)が原因とするもので、メンテナンス屋(修理屋)の中には、問答無用で、ハンダ付け箇所を加熱するところもあるくらいだ。この方法はそれなりに有効(故障の半数以上にもなるため)なのだが、DP-5Vのメイン基板は組み立て後に絶縁強化のワニス塗布が行われている。

手荒にハンダ補強(再加熱とハンダ補充)されたセットでは、この絶縁補強が台無しになっている場合がある。また、そのような基板では基板の素材の問題なのか、何かの付着物なのか、漫然と絶縁不良に陥っている場合があり(1例ありました)、このようなセットでは、基板に塗布されたワニスを一度すべて除去し(ラッカーシンナーやアセトンなどで丁寧に拭き取る)、部品の交換作業が終わったら、さらにフラックスを除去し、絶縁塗装を数度行う。
絶縁塗料は、手近に少量入手できるものでは、サンハヤト製高周波ワニスなどがある。注:乾燥するまでは絶縁性能は出ないので、生乾きで通電してがっかりしないこと。かなりクサいが、ドライヤーで1時間程度(60℃以上に加熱しない)乾燥すると定格絶縁性に達するでしょう。

*対応2(必須)
 予防的に10KΩを挿入したりC12を交換した場合でも、これらの処理をした場合、必ず高電圧の点検(または調整)を実施する。
高電圧の測定は、C12の両端で行い、電圧が398v~403vの範囲になるように、R16を調整。調整は△モードで行い、メータの触れがテスターなどの測定をはずした状態で、規定範囲の中央に来るようR18を調整。

**使用できる電圧計
 高電圧はフィードバックにより安定化されているため、入力抵抗1MΩ程度のデジタルテスター、アナログ針式でも1000Vレンジがついている場合には、そのままつなぎこみ測定可能(大きくは電圧ドロップしない)。しかし、発振強度に問題があったり、テスターに問題がある場合、△モードではDP-5Vのメーターの触れが大きく低下する。メーターの低下がわずかなら、フィードバックが有効に動作し、がんばって電圧を維持している、ということになる。

 ☆不良CI-3BG(とくにクエンチ不良の)が乗った状態で、測定モードでは高電圧が低下している場合と、
 逆に異常に高くなっている場合があります(フィードバックの問題で)。高すぎる場合、むやみに電圧を調整せず、
 まず原因を取り除いて電圧を測ってみましょう。

***DP-5Vに使用されている発振用のトランジスタについて
 詳細に特性は調査中だが、用途から考えると、ストロボフラッシュ用のPNP型のトランジスタが互換性がありそうに思える。形あるもの、いつかは壊れる、ので互換性のありそうな品種を用意しておきたいところであるが、手元に豊富に在庫している2SB976(低Vce sat、高Ic etc,)をそのまま差し替えたのでは、発振しなかった。DP-5Vに使用されているトランジスタは、シリコンではあるものの、ベースが基板になっている(まさか点接触型ではあるまいが)特殊な(私たちにとって)構造のようで、目だったところではIcboの漏れ電流値が多い、そんなトランジスタのようだ。そのまま2SB976に変えたのでは、おそらく直流的バイアス値が低すぎて、発振に至らないようで、ベース/コレクタ間に抵抗を、またC11を最適化しなければ安定発振しないようだ。



*症状


△モードで、メーターが振り切れ、測定モードではメーターも振れず、ヘッドホンからはまったくカウント音は
 聴こえない[症状9]

△モードで、メーターは振れず、測定モードでは正常または異常に多いカウントをしている[症状10]

*原因
定電圧放電管(V4)の故障
リーク状態では症状9のような、破損あるいは外気浸入では症状10が観察される。
いずれにしても、高電圧を安定・維持できない状態なので、そのまま運用はできない。

*対応
まず、定電圧放電管の異常であることの確定をしなければならないが、それにはC12の両端の電圧を測り、R16を調整してみても400v に合わせることができなければ、この故障であると断定できる。正常であるなら、R16の調整で、385v~427v程度の範囲で調整可能のはずだ。定電圧放電管の動作電圧は、380vのようである。
この代替としてツェナーダイオードやバリスタの使用が考えられるが、実際に代用するとC9、R19を最適化しなければ、高電圧が大きく波打ったり、ノイジーであったりするようだ。交換は可能のようだが、周辺定数の調整が必要となる。




*症状


○一見正常に動作しているように見える・・・▲モード正常、×0.1レンジではBGらしき反応
 (やや高め、0.03~0.05mR/h)があり、BG状態の線量では×1以上では全く反応は無く、
 内蔵線源を使用したテストでも高く反応する(×10、×100レンジ)など。[症状11]

○ヘッドホン出力を波形観測してみると、BGでも多くのパルスが2個または数個連なっている。[症状12]

○ガイガー管を交換(CI-3BG、SBM-20ともに、あるいは個別に)しても症状は変化しない。[症状13]

*原因
 サイラトロンTX4Bの両方または片方の不良。この場合は症状11、12、13のすべてが観察できる。
 また、高電圧を低めに調整しても、複数のパルスが連続する症状はあまり改善しない。

*対応
 しばしば管のクエンチ不良と考えられがちだが、症状13によって否定される。
 サイラトロンの交換によって対応する。