audacity のバージョンとインストール                         (C)Y.Utsunomia 2008-2010 インストールとアン・インストール ☆ダウンロード ダウンロード(あるいは入手)は、以下のパッケージを一度に揃えると手間がかからな い。 ○audacity-win-unicode-xxxx.zipまたは、audacity-win-unicode-xxxx.exe、あるいは  その両方。違いは後述。 ○LADSPA-plugins-win-xxx.exe ○lame_v xxxx_for_Audacity_on_Windows.exe ○FFmpeg_2009_07_20_for_Audacity_on_Windows.zip (注、xxxxはバージョン番号、FFmpegではバージョン番号のかわりに日付が付く) (注2 それぞれ多くのバージョンがあり、最新のaudacityには最新のlameやFFmpeg    を使用しなければならない。) ダウンロードできるパッケージにはそれぞれのバージョンの違い以外に インストーラパッケージと実行ファイルセットのみのものがある。 (インストーラー・パッケージは拡張子が.exeで、インストール不要版は拡張子が.zip で、同じバージョンでもその両方のパッケージを配布している。無論ダウンロードは個 々に行われ、両方とも入手したい場合は、それぞれのありかを英語を読み探さなければ ならない。) インストール不要版では、ダウンロードした.zipファイルをダブルクリックし展開する と、自動的にaudacity-win-unicode-xxxxフォルダが作成され、その中に必要なファイル が作成される。それぞれのプログラムは相対アドレスで動作できるため、このフォルダ はどこに置いても動作できる。つまり、固定されたC:やD:だけでなく、USBメモリーに 置き、出先のパソコンで作業することも可能だ。 (注 ただし各種の設定や、プラグインの情報・・とくにイコライゼーションなど・・   のデータは、必ずC:\Documents and Setting\ユーザー名¥Application Data\Auda   city フォルダに格納されるので、持ち歩きたい場合や他人に見られたくない場合   は、回収する。またこのフォルダのコンフィギュレーションはすべてのバージョン   のaudacityで共用される・・・または後述のポータブル・コンフィギュレーションの   セッティングを行う)       起動)インストール不要版の場合は、自動作成されたフォルダの中のaudacity.exeを   をダブルクリックすると起動。    インストール版ではC:\Program Files\Audacity フォルダの中のaudacity.exe   をダブルクリック。ショートカットなどを失ったときにはここから。   もちろんインストールしているので、「スタート」→「すべてのプログラム」から   でも開く。  おまけ)インストール版には附属している英語版マニュアルが、なぜかインストール    不要版には附属していない。個別にダウンロードもできるので、一度は読んで    みるべきだろう。 追記)本家のaudacityのサイトでは、日本語の基本マニュアルを閲覧できるようになっ    た。また、リザードのモモヨ氏をはじめ、古くからマニュアルを作成している    方も多い。どういうわけか、ここ最近マニュアルを公開する事例が多いのは    どういうわけだろう・・。当マニュアルはプロフェッショナル版なので、極基    本的部分は省略されていたり、またどうしても図版が必要な方もいらっしゃる    かと思う。複数のマニュアルがそれぞれの筆者の視点で書かれている(貴重なこ    と)ので、それぞれを閲覧すると、より理解が深まると思う。当マニュアルも    ノウハウの大部分は筆者の自分用のノートを書き写しているに過ぎない。    2010_02_09 プラグインエフェクタを組み込むには、LADSPA-pluginsで必要なフォルダに展開する。 展開先は、展開したaudacityのあるフォルダを指定する。気を利かせて、その中の plug-insフォルダを指定すると、plug-insフォルダの中にplug-insフォルダが作成され るので注意する。この拡張プラグイン以外にaudacity には標準搭載のプラグインが 充実しているので、面倒な場合は組み込まないこともひとつの選択だ。(とくにver, 1.3.9以降では起動時にプラグインの自動チェックが入ったため、組み込むと起動が 遅くなる) 工夫)起動の素早さは、audacityの利点の一つだが、上記のように最新バージョンに   プラグインなどを組み込むと起動が遅くなるという問題がある。(+十数秒だが)   同じバージョンのインストール不要版のaudacityを、異なる名称のフォルダ2つ   の中に作成し、片方は何も組み込まない「スッピン」で、もう片方のフォルダは   必要なもの全てを組み込んだものを用意し、それぞれからショートカットを作成   してわかりやすい名称に変更しておけばわかりやすい。   利点は、どちらも共通の設定を持ち、プロジェクトの共有が可能で、かつ目的に   応じて使い分けられることだ。 lameはMP3ファイル出力のために必要なプラグインだ。audacityはMP3ファイルの読み込 みはプラグインを必要としないが、MP3ファイル作成は特許係争の関係で、プログラム を内蔵していない。MP3出力の必要がある場合、組み込むが、その方法はaudacity を 起動し、「編集」→「設定」→「読み込みと書き出し」設定画面で、lameがある場所を audacityに教えてやればよい。 FFmpegは各種の拡張ファイルの出力に対応できるプラグインで、とくに圧縮を伴った ファイル形式によく対応している。とりあえず備えておくと心強い。しかし複数のバー ジョンのaudacityでの共有はなぜかできないので注意する。(その都度ありかをaudaci tyに教えてやればよいだけなのだが・・。 (lameとFFmpegはaudacity専用のバージョンなので、audacityのサイトのリンクから  ダウンロードすると確実。lameやFFmpegのサイトから汎用のものをダウンロードして  も、そのままでは使用できないので注意) アン・インストール audacityを正しくインストールするには、インストーラパッケージを使用することが最 も簡単で確実と思われる。インストールされたaudacityをはずすには、Windowsのコン トロールパネル→プログラムの追加と削除から行うか、acronis true imageなどのシス テムアーカイバを使用している場合は、インストール前のアーカイブスを復元する。  インストール不要版を外すには、単にプログラムがあるフォルダごと消去し、設定 を保存している C:\Documents and Setting\ユーザー名¥Application Data\Audacity フォルダを消去する(残していても実害は無いと思われるが)。 (インストール不要版のみの使用でも、レジストリにはエントリが作成されるが、残って いても無害と思われる) 現在(2009年4月)のところ 公式版として1.2.6と ベータ版として1.3.7が入手できる。 12月現在、1.3.10    ベータ版 2010年1月現在 1.3.11 ベータ版 (おそらく1.3.x系は1.3.11が最後、次は2.x.x系だとか・・・と思っていたら) 2010年4月現在 1.3.12 ベータ版(なぜか、インストーラ版の方が文字化けなく、調子  が良い。附属の英語版マニュアルがすばらしく充実している。このプロマニュアルは  もはや不要か) ベータ版はバグなどの不具合や機能しないスイッチなどが残っており そのような状態を不快に感じる場合には使用しないほうがよいが、ベータ版は 最新の機能が詰め込まれており、その不具合を差し引いても使用してみる価値が ある。 (注 とんでもなくできの悪いバージョンがリリースされる場合があり、例えば   最近ではver,1.3.8などがあるが、すぐに手直ししたものが「同じバージョン   番号で「何事も無かったかのように」差し替えられている場合もあるので、   動作がおかしい場合は1〜2週間後にダウンロードし直してみる)  またコンピュータ・ソフトウェアにバグ無しを求めることは不可能であり、 とくに重要な作業に用いるのであれば、その信頼性は使用者の責任において 評価されなければならない。この点はソフトウェアが有償であるか無償であるか とは全く関係が無い。使用者の責任においての評価こそがプロの仕事である。 多くのフリーウェアは無保証をうたってはいるが、それほどまでに劣悪なわけで はない。責任の所在を明確にした結果の表示に過ぎない。無論、能力の欠如や悪 意による劣悪なものも存在するが、それを見極め評価することはフリーウェアだ けではなく、全てのソフトウェア利用者の義務といえる。 audacityのサイトで公式版とベータ版の両方が乗せられている理由のひとつは このようなものであり、両方の併用が望ましいとサイトに明記されている。 audacityの本体プログラムは比較的軽量ではあるが、その動作設定のかなりの部 分でレジストリと呼ばれる、ユーザーが勝手に操作しにくい記憶領域を使用して いる。 このため、最低一つはレジストリにエントリー(インストール)する必要があり、 筆者は公式版である1.2.6をインストールすることを推奨する。 追記)最近、上記のver,1.2.6のインストールを推奨することを改訂し、非推奨  にしようと考えていた。これは、最新のver,1.3.11〜の性能が極めて高く、  安定性も1.2.6を上回ると思っていたからなのだが、このプロフェッショナル  マニュアルの公開から、何例かの問題の報告を受け、その考えを撤回した。  一部のハード構成と、OSの組み合わせで、AIFFなどの非圧縮ファイルの一部が  ver,1.3.11以降で正常に読み込めないことがあるのだそうだ(筆者はうまく再  現できていない)。同時にver,1.2.6では正常読み込みできるという比較報告  も。2010_05_02  その上で通常使用は1.3.xを使用することになるが、その場合もレジストリや コンフィギュレーションなどは先にインストールされたエントリーが共用される。 したがって1.2.6がインストールされているところへ、非インストール版の1.3.5と 1.3.6と1.3.7が運用されるとき、1.3.5の使用中のセッティングは他の1.3.xにも反 映される。(このコンフィグレーションはC:\Document and Settings\ユーザー名 \Application Data\Audacityフォルダに格納されているが、各バージョンで共用 される)*1.3系では1.3.11か1.3.12の仕様を強く推奨します。 *ポータブル・コンフィギュレーション(ver,1.3.3以降)  非インストール版をポータブルとしてUSBメモリーなどに入れて持ち歩く場合、 上記アドレスのコンフィギュレーションは行く先々のPCに作成されるが、 audacity.exe(実行ファイル)のあるフォルダに、portable settings という 名称のフォルダを作成し、上記アドレスのフォルダの中身をすべてコピーすると、 そのフォルダで起動されたaudacityは、同じ階層にあるコンフィギュレーションを 使用するようになり、上記アドレスには書き込まなくなる。そのため、持ち歩くこと が可能になり、共有もされなくなり。出先のPCに痕跡を残さなくなる。 もう一点バージョンについて注意しなければならないことは、それぞれが作成する プロジェクトファイルに互換性が無いことで、同じ1.3.xで作成されたプロジェクト ファイルであっても1.3.5と1.3.7では開くことができないばかりか、開こうとする だけで破損することがあるので気をつけなければならない。プロジェクトファイル を入れておくフォルダや作業ノートに、バージョンを明記しておくのも対策のひと つであろう。 追記・改訂2010_02_25)ver,1.3.11では、このプロジェクトファイルの互換性が、 「上位互換」で開くことが出来るようになった。開き方は、左上のファイルメニュ  ーから「開く」でファイル位置を指定し、読み込む。(ドロップ不可) audacityのコアプログラムの一つはWindows OSに乗った独自の断片化 システムで、このコアのおかげで無限のUNDOが実現されている。しかし筆者の他の 論説にあるように、音という連続性が最重要な情報に対して断片化はそもそも乗り が悪く、筆者としては、このプロジェクトファイルのシステムを過信しない方が よいと考えている。(十分に有用で価値があるものと認識した上で) audacityのバージョン更新はかなり頻繁で、多いときには年間3〜4回にも及ぶ。 英語ではあるが、既知の不具合についてはレポート(大抵はREADME.txtの後半)が 添付されているので、一度くらいは目をとおしてみたいものだ。 バージョンによる主要な変更点 1.2.x→1.3.x システムの全面的変更  必要メモリー量の増大(+30MB→+150MB)  ユーザーインターフェースの改良  主要な標準搭載プラグインの変更  コンフィギュレーションの変更 〜1.3.7→1.3.8〜 システムの大幅改良  対応OSの切捨て(Windows2000以降に)  録音再生キャッシュシステムの変更  標準コマンドの処理ルーチン変更  内部処理が、部分浮動小数点から完全浮動小数点に  より高度な処理の標準搭載プラグインの追加  新しいトラックレベル表示付きのミキサーボード(ストロークは変更可能)の追加  歌詞プロンプター機能の追加  スクリーンショット機能の追加  附属マニュアルの大幅拡充(インストール版のみ)