リピート                         (C)Y.Utsunomia 2008-2010  とくに説明の必要な部分はないと思われるが、 リピートする部分を選択ツールで範囲指定し、(ラベルを付けておくと便利) 「効果」→「リピート」で繰り返し回数を入力する。 ☆ 斜めドラッグによる範囲指定で、複数トラックについて同時指定と実行が可能。 ☆ 原則として複数トラック範囲指定では、それぞれのトラックについて繰り返しが、  指定範囲の終端から付加される。 ☆ 指定範囲の終端がトラックの終端の場合、繰り返しの各開始点に1サンプルの空白が  挿入される。 ☆ 空白ポイントはイベント扱いで、カーソル引き込み(近くでポイント指定すると  黄色い線表示がでて、そのポイントジャストを指定できる)機能が働く。 ★ 少ない回数の繰り返しや、繰り返しが連続せずあちこちに分散したい場合は、  範囲指定→コピー(CTRL+C)→目的箇所にカーソル(クリックで位置指定)  →ペースト(CTRL+V)を行った方が早い。   その場合、コピー元とコピー先のサンプリング周波数が異なっているときには、  貼り付け先(コピー先)のサンプリング周波数に変換され貼り付けられる。 ☆☆ 指定範囲の開始端と終端が0Vになっていない場合、接合点で「プチ」ノイズがは  いるため、正規化などのDCオフセット除去や、拡張エフェクトのオフセット除去、あ  るいは「ゼロとの交差点を見つける」などを活用した方がよい場合もある。  リピートそのものの指定や実行は簡単だが、範囲指定は上記のオフセットや先端・終  端処理や、周期の計算について良く考えて行わねばならない。   リピート処理には、リピート処理を先に行い、その周期に合わせて(ガイドまたは  メトロノームのような使い方)演奏やイマジネーションの発芽を促す場合と、すでに  ある演奏などに後からドラムパートやリズムトラックを追加する場合があるが、周期の  計算を行えば容易にこれらのパートを同期させることができる。 リピート機能の応用  リピートできる最小単位は1サンプルで、例えば数十サンプルからなる波形の1サイク ルを指定し、所定回数繰り返し連続した関数波形のように取り扱うことができる。 繰り返された1サイクルずつは「切れ目」があり、その状態では切れ目単位でタイムシ フトできたり、コピーペーストなどが可能だ。しかし、切れ目がある状態では道義的に 不連続であり、確かに連続した再生ではつまずくことがあるし、第一波形が見づらい。 連続したファイルにするには範囲指定し、「編集」→「連結」を実行すると切れ目が 消失する。しかしこの状態ではまだつまずくことがあり(歪率や再生時の時間精度が 悪い)、確定し安定再生するには範囲選択し「トラック」→「ミックスして作成」を 実行する。  このような用途はいくつかあるが、周期関数的なノイズの場合、この方法でノイズ のプロファイリング(ノイズの単体化)を行い、「上下の反転」で逆極性にし、 ノイズ成分をキャンセリングできる場合もある。  また、スペクトラム解析を行う際に、エンハンスの目的で「単周期解析」を行う場合 も、「単周期指定+Shiftキー+再生」よりも正確な結果が得られる。  特殊な単周期を得る場合(例えばゆらがない母音などの、サンプリングでしか得ら れないような信号)、上記の方法以外に、「そのほかの有用なソフト」で取り上げて いる WaveGene.exe(ver,1.40以上)では、ユーザー波形という概念があり、 1周期分を読み込ませることで、連続出力化することができる。この機能は、本来 タイムストレッチド・パルスを出力するためのもので、作者の作成したストレッチ展開 されたパルス波を読み込み、連続化し出力するためのものだが、Audacityの搭載EQ機 能で近似の信号を作成することもできる。WaveGene.exeに附属のタイムストレッチド ・パルス信号は平坦特性のもののみだが、ウェイトカーブという「重み付け」が必要 な場合があるが、作成方法を理解しておくと大変便利だ。  ウェイトを付ける場合、単周期のままでEQ処理を行ってもトランジェントの問題で うまく処理できないが、附属のタイムストレッチド・パルスを読み込み、数十回程度 リピートし、切れ目にレベルを付け、必要ウェイトのEQカーブで処理し、繰り返しの 先頭、終端を避け、中央部分の単周期をラベルに従い切り出すと、比較的良好な結果 が得られる。