必要なハードウェア環境(Windows版)                         (C)Y.Utsunomia 2008-2010 Windows OSのバージョン audacity ver,1.2.xではWindows 95 以降で動作するが、ver,1.3.x ではWindows 2000または XP あるいはそれ以上が望ましいようである。 (1.2.x系と1.3.x 系では必要なマシン能力が異なるが、現在普通に使用されている クロック1GHz以上のPCでは、どちらも余裕で動作できるはずだ)  またユーザーは1.3.xの最新ベータ版を使用する場合でも、公式版である 1.2.6をインストールしておくべきである。これは万一ベータ版に支障が 生じた場合でも動作の安定した1.2.6を予備として使用できるというメリット以外に、レ ジストリにキーが正しく作成されなければ安定した動作が得られないからである。(1.3 .xの.exeを起動するだけではレジストリ・キーは作成されない) [追記 2010_01_22)ver,1.3.10のリリースのころからか、audacityのサイトでは Windows2000以上の使用者には、ver,1.2.6よりも1.3.10の使用を強く推奨しているが、 筆者もとくに20分以上の長さのソースを加工する場合の安定性、強化された操作系とエ フェクト、内部処理高速化、さらには完全浮動小数点化などのメリットを考えると 1.2.6の必要性はあまり無いかもしれないと思っている。しかし音楽制作者の中には 「クリップすること」を尺度の一つとして作業を行う者もいるため、1.3.5あるいは 1.3.7は残しておいていただきたいものだ。  インストールにはインストーラー版(audacity-win-unicode-1.3.11.exe)をダブルク リックすることで、インストーラーがインストールを実行する。  筆者は現時点ではver,1.3.12を推奨する]  audacityのバージョンにより、作成されるプロジェクトファイルが異なり、 使用者はどのバージョンで作成したプロジェクトか正確に把握しておかねばならない。 (プロジェクトファイルを開く場合、.aupファイルをダブルクリックで開く)  また外部プログラムである"lame.exe""ffmpeg.exe"はaudacityのバージョンによって 適合するそれぞれのバージョンが異なり、必ずaudacityのホームページのリンクからダ ウンロードしなければならない。外部プラグイン集である"LADSPA_pluginsは今のとこ ろ共用のようである。  PC本体のハードウェア構成であるが、とりあえずWindows 2000 または XPが正常に 動作すればaudacityは問題なく機能するようである。しかし巨大ファイルを扱うソフト ウェアであるため、マシンクロックやメモリー、ハードディスク容量は巨大であるほう が有利ではあるが、最低限操作を行うには、CPUクロック=400MHz以上、メモリー=192 MB以上、ハードディスク空き容量=10GB以上を推奨する。この構成で簡単な編集と加工 は2時間程度のステレオwavファイルが扱えるが作業能率はあまりよくない。(作業精度 は問題ないが、システム的にスワップ寸前で、個々の作業に相当の時間がかかる。また 1.2.6では問題なくとも1.3.xでは動作が苦しい場合もでてくるかもしれない)  もしaudacity専用にハード/ソフト構成を行うなら、取り扱うファイルサイズにもよ るがCPUクロック=2GHz以上、メモリー=512MB以上、ハードディスク容量=300GB(う ち3パーテション、入出力ファイル置き場=100GB、テンポラリー領域=100GB、プロジ ェクトファイル領域=100GB程度)確保すれば、16トラック程度、5時間程度のワンピー スであっても快適に作業が可能である。またこのハードディスクのアクセス速度は重 要で、できるだけ高回転のドライブ(7200rpmを目安に)を使用することでパフォーマ ンスは向上する。  パーテションを分離する理由は、作業中audacityは扱うファイルサイズの3倍以上の ディスク容量を使用し、そのアクセススピードでパフォーマンスと安定性が確保されか らだ。 またaudacityは独自の断片化エンジン(ファイルを細分化し管理する機構)でできてい るためユーザーが手動で行ったりOSが自動で行うデフラグが動作障害の原因となる場合 があるからで、これを防ぐには重要な作業の前にパーテション単位でフォーマットして おくことが有効な手段だからである。(すでに固定されたファイルのあるパーテション ではどのように断片化がなされるか不確定であるし、アクセス速度が安定しない) (とくにプロジェクトファイルを利用する場合)  致命的状態は作業中にテンポラリー領域がディスクフル状態になることで、にっちも さっちもいかなくなるので注意する。これはaudacityがデフォルト状態でテンポラリー (作業用一時ファイル・・・・作業終了時に自動削除されるので、一般的にユーザーは 気に留めないが、とても重要な作業の仕組みである)ファイルをC:のOSが指定する領域 に作成するが、パワーユーザーはこのテンポラリファイルをユーザーが指定する領域に 設定する。設定方法は 編集→設定→ディレクトリの画面に設定窓がある。 (例えば、F:\Audacity temp などを設定。間違ってもフラッシュメモリーなどには設定 しないこと。とてつもなくパフォーマンスが低下する)  この設定はaudacityを起動した際に、その領域が見つからないとデフォルトに戻って しまうので、起動時には正常に認識したか確認する必要がある。  致命的状態であるディスクフルは読み込みを何度もUNDOしなおした場合、そのすべて をテンポラリに保存することで容易に発生する。読み込みに失敗したか、あるいは気に 入らないことがある場合はUNDOせずにaudacityを再起動したほうが懸命である。とくに 専用パーテションを用意せず、C:のみで作業を行う場合(普通の入門者はそうだと思わ れる)、空き容量には要注意である。作業にもよるが、目安としては扱うファイルサイ ズの最低3倍程度以上空き容量があることを確認してから作業にかかるべきである。 (プロジェクトファイルは比較的不安定で、操作に慣れるまでは過信しないほうがよい) <参考:最近、筆者の行ったAudacityをメインに用いたCDマスタリング作業では、本編    部分16.2GB、作成したプレスマスターの検査用に1.76GBの領域を使用した。守秘    義務があるので詳細は公表できないが、アルバム長は全曲で36分7秒で、比較的    容量を使用しない軽微な処理で、クライアントへは4候補納品だった。Audacityは    マスタリングだけでこれほどの容量を使用する。>  一昔前ならハードディスクドライブは大変高価(シンクラビアが登場したころ、1GB あたり1億円もしていた!!)だったが、現在は1000GB=1TBあたり1万円程度なので高価 とは言えないだろう。この入出力領域、テンポラリ領域、プロジェクトファイル領域は 内蔵でも外付けでも問題なく動作できるので、USB2.0またはIEEE接続の外付けドライブ を用意することが、多くの場合合理的解決につながるであろう。(筆者の主義ではシス テム領域であるC:は必要最小限のサイズ(10〜15GB程度)に抑えることが合理的と) *必要メモリーが小さいが、audacityが使用するメモリー量は最大で、通常OSや常駐プ ログラムが使用するメモリー量+150MB(ピーク時、通常は+100MB)程度しかない。 <追記2010_02_25>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>  ver,1.3.8以降ではオーディオキャッシュシステムが大幅に変更され、使用メモリー  はOSが許容する上限まで割り当てられるようになった。設定は「編集」→「設定」→  「ディレクトリ」で、キャッシュの使用と、その最低容量の指定のみだ。この変更で  多トラックの同時再生に関して、パフォーマンスは相当に改善できる。  キャッシュの初期値である最低容量は256MB程度を、指定しておけばよいだろう。 メインプログラム(含む.dll)が30MB程度であることを考えても「マシンに優しい」ソ フトであるが、ハードディスクには厳しい。まるで「ファスナー」のようなソフトだ。  現状に合わせ、もう少し使用メモリー量を増やすか、あるいは「設定」からカスタマ イズできるようにしてほしいところだ。再生時のバッファーを増やすだけで、相当にパ フォーマンスは改善されるだろうに。(裏腹にバッファーが小さいため、操作レスポン スが良い、ということはあるのかもしれないが・・) <追記>現在のバージョンでは、大容量キャッシュ仕様に変更されつつあるが、それ  には上記の設定が必要。  参考までにver,1.2.6でメモリー使用量はさらに少なく、通常20MB、ピーク時30MB程 度なので、ローパワーかつ少メモリーなマシンでの使用では、ver,1.2.6を推奨したい。  その他の必要ハード ○ モニター系  PCに内蔵されるオンボードのAD/DAコンバータの性能は、改めて記すまでもなく、相 当に劣悪で(一説にはカセットテープなみとも)、audacity の能力を生かすことなど 到底できない。望まれる条件としてはUSBまたはPCIボードで接続でき(それ以外でも認 識できれば可能)デジタル入出力(SPDIFまたはa-dat I/F)か24bit精度のAD/DA、ある いはその両方を搭載したインターフェースが望ましい。これに合致する低価格で安定し た製品はRoland/edirolのUA1-exがあげられる。この製品はステレオ1系統のみの入出力 であるがUSB1.1で安定動作でき、ASIOに対応する能力を持つ。現実のUSBは理論値には 程遠い転送速度であり、現在のUSB2.0環境であってもストリームを安定動作させること は容易ではない。実際にUSB2.0環境であっても、ハブなどを経由した状態では安定せず (ジッタやサンプル落ちが明確に観測できる)、接続は必ずコントローラに直結しなけ ればならない。  仮にノートパソコンで、コントローラ直のUSB1.1とPCカードによるUSB2.0があった場 合、迷わずコントローラ直接のUSB1,1に接続すべきである。この問題が気になるなら、 周波数特性とダイナミックレンジ程度は(ジッタも必要だが)実測、検証してみるべき であろう。 追記)必ずしもコントローラ直接が良いわけではないようだ。いずれにしても検証は 必要だろう。2010_02_03 注)UA1-exは、この作文中に廃版となり、UA1-gにモデルチェンジされた。筆者は詳細  な検証をおこなっていないが、UA1-exとほぼ同内容のようである。旧製品の入力レベ  ル調整が部品的に頼りなかったが、外観的には改善されたようである。  モニタースピーカーは重要である。市販されているパソコン用のモニタースピーカー  のすべては十分な性能を持っているとは言えない。信頼できるモニターはPC数台分以  上の価格が当たり前であることは言うまでも無い。もし適当なモニターを持っていな  いならあせってPC用のものなど購入せず、じっくり腰をすえて計画をたてるか自作を  考えよう。  (音の問題は耳で判断することが正当なのであるが、パソコン使用者はしばしばこの  当然の嗜みを忘れ去ってしまう) 参考)意外と知られていない問題なのだが、ハードディスクドライブは振動や音波に弱  く80〜90dBspl程度の音量の正弦波(数百Hz程度)であっても、容易に読み書きがで  きなくなる。これは特定の周波数でプラッター(ハードディスク内の記録円盤)やヘ  ッドが機械的に共鳴を起こし、プラッターとヘッドの間隔が変動し、読み書きが正常  にできなくなることが原因だ。   筆者は「一発芸」で、声でPCを止めることができる。U-Tubeには声でワイングラス  を割る「芸」が多数掲載されているが、私は声で「ブルーサンダー」を呼べる。  そのうちU-Tubeにアップしようかとも思っている。   要は、ハードディスクとスピーカーなどの音源は近づけてはならないこと、デスク  トップの内蔵スピーカをガンガン鳴らさないことなど注意する。  (トラブルシューティングの項を参照)   ○ 光学ドライブ  CD/DVD/CD-r/DVD-rの読み書きのために必要である。 現在市販されている全てのドライブは、高品位のCDDA(CDプレーヤーで再生できる、い わゆるCD)は作成できない。本来CDDAに収められる情報はファイルではなくストリーム であり、現在市販されている全てのドライブは1倍速CLVには対応せず(そのモードを備 えているものもあるが)まともな音のCDは作成できない。また、一見作成できているよ うに見えるものもあるが、差分があったり、ひどいジッタがあったりするものが多く、 CDDAを作成するには検証が必要である。最も安全で高品位な作成は、先のUSB I/Fから SPDIFでCDライターに送る方法がある。(CDライターに搭載されているドライブはPC用 のものと異なり1倍速CLVに特化したものが使用されている。また多くのCDライターでは、 PC固有のジッタを抑制する機構を内蔵している)(再生ソフトにはWaveSpectra.exeを 推奨)  パソコンの光学ドライブは前記したように、ファイルの読み書きであり、ファイルで ある.WAVや.AIFFなどの読み書きに適する。どうしてもCDDAを作成したい場合、ドライ ブのメーカーのサイトへアクセスし、低速(2倍または4倍)CLVモードを持っているか 確認すべきである。  また光学ドライブは明確に寿命があり、使用されるレーザーダイオードの公称寿命で 2000時間程度(読み取りのみで)であり、よりレーザーを酷使する書き込みでは、その 数分の一程度である。したがって漫然とBGMプレーヤとして使用していると、いざ書き 込みというときには既にレーザーが残っていないなどということもある。使用時間管理 を行い、定期的に買い換える必要がある。 ★現在最新の光学ドライブとして「ブルーレイ・マルチドライブ」が登場しているが、ブ ルーレイディスクの読み書きはともかく、現時点でCD-Rの読み書きには推奨できない。 ○ またaudacityはCDを読み書きする機能を内蔵しておらず、これらの光学メディアの 読み書きのためのソフトウェアは別途必要となる。  筆者はNERO(製品版)を推奨する。NEROは接続されているドライブそのものを解析す る能力を持ち、一度書き込みに失敗しても(失敗しなくても)学習、最適化を行う。も しドライブがCLVについてのデータが公表されていない製品でも、書き込む情報がCDDA で、NEROが可能と判断した場合、自動的にCLVで書き込みが行われる。 ○ 電源装置  audacityは異常終了に弱く、異常終了するとテンポラリやプロジェクトファイルが損 害を受ける。また場合によってはオリジナルデータが傷つくこともあり、audacityはコ ピーを作業に使うことを推奨している。コピーを作業に使用することは常識的なことだ が、テンポラリやプロジェクトファイルはいわば使用者の労力の結晶であり、容易に失 いたくはないものである。  異常終了の原因を大別すると不慮の電源断と、使用者による中止がある。audacityは ときとして「落ちた」ように見えるが、本当に落ちたのか、必死に黙々と作業している のか画面を見るだけでは判断できない場合がある。そのような場合はハードディスクの アクセスランプである程度の判断ができる。もちろん点灯や点滅しているときには作業 を行っている。「落ちた」と決め付けないようにしたいものだ。またどのようなときが 無理な状態なのか、使用者は学習しaudacityをそのような状態に追い込まないように操 作を工夫すべきであろう。それらしいプログラムにごまかされるよりは、マシだ。  前者の不慮の電源断であるが、ノートPCならバッテリーを装着し、デスクトップなら 無停電電源を導入すべきである。スタジオと名の付く作業場で無停電電源の導入がこれ ほど遅れているのは音楽分野だけである。恥ずかしいと思わねばならない。  詳しくは前述したが、ハードディスクドライブは大音量環境下で一時的に読み書きが できなくなる。これはハードディスクのヘッドはディスクから一定距離はなれた空中で 読み書きしているが、音によりヘッドが共鳴しディスクとヘッドの距離が変動し、正常 な読み書きができなくなるのである。大音量といっても特定の周波数(ドライブによっ て異なる)では90dBspl程度で異常発生するので気をつけねばならない。もちろんこの 状態が一定時間持続すると完全に「落ちる」。ソフトウェアは関係ない問題だ。  ハードディスクドライブとスピーカーは十分に離し、振動も避けるべきであろう。 ○ ディスプレー  画面は大きいほうが使いやすい。  これから入手するなら、新品の15インチより中古の19インチだろう。  また、ノートパソコン使用者も同様に、外付けディスプレーが使用可能なら、大型の  もの(横1600ドット程度)を使用したいものだ。  PC本体(ノートPCの場合も)によっては、デュアル・モニターが可能な場合もあるが、  とくに縦位置で使用できるモードが付いている場合、Audacity向きと言える。  以上まとめると、 ○ 十分な容量のハードディスク ○ USB オーディオインターフェース ○ 正常な光学ドライブ  は、そろえたほうがよさそうである。 追記○ver,1.3.8以降では、メモリーの上限実装はパフォーマンス向上に、効果がある。 Windowsの設定について(Windows XPを例に)  万人に推奨できることではないし、とくにaudacityの使用に限ったことではないのだ が、Windowsのユーザーインターフェース設定は、デフォルト(初期設定)ではシステム に障害を与えることが予想される操作を制限するために(あるいは操作を容易にするた めに)、いくつかの工夫や立ち入り制限が設定されている。 ○ユーザーアカウント(管理者権限と非管理者権限) ○拡張子の表示 ○非表示ファイル・非表示フォルダ ○レジストリ・システム準拠のファイル ○要所に設定できるパスワード などがそれにあたる。 とくに、複数の使用者もいないのにユーザーアカウントを設定して使用したり(管理者 権限のない状態)、拡張子を非表示にしたり、非表示を非表示のまま使用したりするこ とは、ときに障害の侵食を見過ごしたり、他人の不本意な侵入を許したり、情報の漏洩 につながったりする。これらは上記の「ありがたい?」工夫に付け込むかたちで進行 する。筆者の主張は、 ○システムの保護(他人の意思や自分の不注意によるものを含む)は、システム・アーカ イバー以外に有効な方法がない。 ○情報の保護(それが必要な場合)は、暗号化以外に有効な方法はない。 というものだが、これらの導入は、マシンを深く使い込むことにも大変有効だ。 もし正常動作できなくなったらどうしよう、あるいは覗き見られたらどうしよう、など の不安から、ほぼ完全に解放される。 ☆拡張子は表示しよう  拡張子はそのファイルの属性を示す。何のファイルなのか一目でわかるし、知らない 拡張子や、あるはずのない.exeや.comファイルなら警戒するだろう。 そのためにアイコンの絵がある・・という主張もあるが、これが意外と思考や工夫を 妨げる原因であったりする。  △拡張子を表示するとどうなる・・?   拡張子を表示できるように設定すると、拡張子を書き換えられるようになる。   多くのプログラムでは、拡張子によってそのプログラムのためのファイルか否かを   判定している。   したがって、拡張子を不用意に変更したり削除したりすると、対応するはずのプロ   グラムで開かなくなったり、警告が出たりする。  ▲.txt :メモ帳で作成できる、いわゆるプレーンテキスト。1バイトまたは2バイトで   表される、最もシンプルで通用性の高い文字列。すべての基本。基本的に筆者は   メモ帳か、テキストエディタしか作文に使用しない。   「半角英数」とは1バイト、全世界共通のコード。   .csv :エクセルなどで使用されていると思われているファイル形式。書式さえ守れ   ば、中身はプレーンテキスト=.txt つまり拡張子の書き換えで相互に使用可能。   .inf :ルートにあると起動時にWindowsがどうしても読みに行きたくなるファイル。   近年この仕組みを利用したウィルスが猛威をふるっている。   しかし中身はプレーンテキスト   .bat ・・・・   そのほかプレーンテキストのファイルは無数に存在し、開いてみればプログラミン   グに精通していなくても、ほとんどの場合なんとなく意味がわかることが多い。  ▲「風景」として認識しよう。   風景として認識するにはファイルの中身を表示する必要がある。   メモ帳を起動し、ドラッグアンドドロップしてみよう。風景が見えるはずだ。   最初は意味がわからなくても、風景として眺めているうちに書けるようになってい   たりするものだ。  ★注意:閲覧はほとんどの場合、問題ないが、わからないうちは上書きはやめた方が   賢明。  ★メモ帳が壊れることなどないと思うが、メガバイトサイズ以上のものはメモ帳向き   ではないので、やめた方が賢明。が、何でもメモ帳!!!   専門的には「テキストエディタ」が使用される。  ☆☆拡張子を表示できるようにするには、   「スタート」→「コントロールパネル」→「フォルダオプション」→「表示」で   下から3っつ目の「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外し、   「適用」をクリックしてその画面を閉じる。 ☆非表示のファイルやフォルダを表示しよう  ☆☆非表示のファイルやフォルダを表示できるようにするには、上記と同様に   「スタート」→「コントロールパネル」→「フォルダオプション」→「表示」で   上から8行目の「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェックを入れて   「適用」をクリックしてその画面を閉じる。  △それまで見えなかったファイルやフォルダが、「半透明」で表示できるようになっ   たはずだ。もし見えるようにならなかったら、おそらくこの機能をレジストリレ   ベルで操作するウィルスやプログラムに侵されている可能性が高い。学校や病院   などを中心に、とくにオフラインのPCが感染していることが多いようだ。   退治・捕獲方法のリクエストがある場合は、処方をアップします。  △これらが見えるようになるとどうなるか   それらのファイルやフォルダにアクセスし、操作や削除が可能になる。   多くは致命的問題を起こすものについて、「不可視」あるいは「システム」の属性   を与えられたファイルやフォルダである。したがってむやみなことをすると、具合   が悪くなることがあるが、だからといって恐れることは的外れかもしれない。   いくつかの種類のウィルスは「不可視」「システム」の属性を持つことで身を守って   いるし(見えるようにすることで発見できる)、audacityの設定やパラメータを   操作するには、どうしても不可視フォルダに入らなければならない。  ☆例えばイコライゼーションのデータは   C:\Documents and Settings\MUE\Application Data\Audacityフォルダの中の   EQcurves.xmlファイルなのだが、   そこにたどり着くには Application Dataフォルダがシステム属性のため不可視で、   これを見えるようにしなければならない。  ○もちろん「君子危うきに近寄らず」で、一度表示可能にし、ショートカットの作成   か、ランチャーに登録してから、元の不可視に戻しておくのも一つの方法だ。   不可視に戻しても「一発ジャンプ」だ。  ☆筆者としては半透明のファイルやフォルダも、「風景」として見慣れておくべきと   思う。異変はそのあたりから出始めることがよくあるからだ。   デスクトップにも「このファイルが見えていたら大丈夫」というファイル名の、シス   テム属性のダミーテキストファイルまで装備している。異変をいち早く察知するた   めだ。   属性の与え方は簡単で、そのダミーファイル(任意の拡張子)を作成し、右クリッ   ク→「プロパティ」で、属性の隠しファイルあるいはフォルダをチェックするだけ   だ。いろいろと使い道はある。 ☆レジストリ  ★慣れぬうちは触れない方がよいが、マシン不調や速度低下の原因であることもよく   ある。  ★行くには   「スタート」→「ファイル名を指定して実行」、名前欄に「regedit」と呪文を唱え   るとレジストリエディタが起動する。  ★★何をするか   操作の方法は専門書に譲るが、ここでは怪しいインストールなどによって書き換え   られたレジストリの復元方法のみ解説する。  ☆復元するには復元ポイントをあらかじめ作成しておかなければならない。  ☆☆つまり、あなたのマシンが現在絶好調なら、復元ポイント作成のチャンスです。  ☆☆☆不調になってからではどうしようもありませんし、レジストリは機種固有なの   で容易に移植もできません。いわゆる「パーソナル・データ」だ。    ○復元ポイントの作成   上記のレジストリエディタを起動し、左枠の「マイコンピュータ」を選び、   「ファイルメニュー」→「エクスポート」でファイル出力先を指定し、出力すると、   「登録エントリ」属性の.regファイルが作成される。全エントリでは数十MBの容量   になるが、中身はプレーンテキスト。  ★このファイルを復元に使用するには、レジストリエディタを起動する必要は無く、   このファイルをダブルクリックするだけだ。このファイルをその目的で必要部分に   必要な書き込みをすると、一撃でポンコツマシンになるので管理には注意しなけれ   ばならない。乗っ取りの基本なので、管理には気をつけよう。ストックしたファイ   ルは暗号化しておいてもおかしくない情報だ。  ★エントリファイルをダブルクリックする方法は、正しいエントリ方法なのだが、   そのエントリが有効になるのは再起動後だ。ウィルスに感染すると多くの場合、ウ   ィルスはレジストリを書き換えるが、その場合は再起動など無関係にリアルタイム   で変更される。このような場合、正しいエントリでは太刀打ちできないので別の   方法を実施する。  ★定期的に復元ポイント(上記エントリファイルの作成)を蓄積していくことで、   いつの時点で書き換えられたのかを追跡することができる。 ★★筆者はネット接続用の端末PCと作業用のPCを物理隔離により、間接的に安定動作を    確保していたが、大学勤務のせいで通称「USB拡散ウィルス」に浸入を許してしま   った。2週間遊ばせていただき大変有意義に過ごすことができたし、標本もたくさ   ん作れて満足しているが(上記)、何よりもPCそのものについて随分理解を深める   ことができた。    教訓として、物理隔離やシステムアーカイバーも絶対的な効力を持つわけでは   ないことが理解できたし、同時に完全な排除に如何に有効であるかも。  ☆このウィルスに対しては「autorun.inf」という名称のダミーフォルダ(中身は空で   よい)を「全てのパーテション」と「全てのメモリーカード」(耳なし芳一の要領、   貼り忘れがあると・・・)のルートに「お札」として配置しておくだけで相当な効力   を発揮します。このお札を貼ろうとすると動作が異常になる場合はすでに感染し   ているので対応を行うべきだ。対応策のリクエストがあればマニュアル化してあ   るので遠慮なくコンタクトください。 専用パーソナルコンピュータ入手ガイド  専用化は、レジストリの操作やOSの深部の操作と考えられがちだが、それ以前に作 動すべきものが当たり前に作動する環境作りが基本となる。 一般的にPCは「何にでも利用できる」イメージが強いが、特定のソフトウェアを起動し ているときにも、背景では様々な「常駐ソフト」が既に起動しており、それを除外して も起動していないはずの別のソフトの設定が(レジストリなどにより)影響をあたえ、 昨日までは正常に動作していたのに、今日は調子が悪いなどの問題を引き起こす。  専用化の基本は、使用しないものは最初から組み込まない、「余計なものがない」状 態にすることが原則だ。何が何に影響を与えるかは複雑で、いくつかの必須ソフトを インストールする場合でも、そのインストールする順番によって得られる結果が大きく 変化し、単に順番が違うことだけなのに、全く動作できないことすらある。その原因は レジストリが最後にどう書き換えられたか、ということなのだが、問題があるなら、 アンインストールしてやり直せばよい、という考え方もあるが、現実的にはアンインス トール自体できないものもある。有名なものとしてはi-tunesが代表的だろう。  システムアーカイバーソフトを利用することは大変有用なことと言えるが、基本は OSのインストール後、余計なものを入れていない状態のマシンに、必要なソフトのみ インストールした状態にすることが最も効果的といえる。  入手はいくつかのパターンに分類できる。 1)新品の購入 2)中古の購入または譲渡(リカバリー付き) 3)中古の購入または譲渡(ハードウェアのみ) 4)残骸の入手、組み立て 下になるほど安価になる。 以下は筆者の個人的な選択基準であり、全ての人に当てはまることではないし、推奨も しないが、一つの参考とし、自分に当てはまることや納得の出来る部分だけ採用いただ きたい。 1)について、あまり書き記すことは無いが、メーカー製個人向けの製品の場合、余 計なソフトが多数プレ・インストールされていることが多く、それらを一掃するのに 結構手間がかかる。2)についても同様で、できることならすぐにでもリカバリー すべきであろう。もしOSのインストーラが有る場合、機種固有のドライバ(必ず必要) を用意の上、OSの再インストールすることも専用化では必要なことだ。 3)、4)主にノートブックPCを安価に入手するには、3)4)の方法がもっとも安 価だ。どうせ全て入れなおすなら3)4)で十分ではないか。筆者は一台あたり3000〜 9000円程度以上は出費しない。  何を基準に機種を選ぶか(ノートPCの場合) ○Windows2000以上が動作できる。  それ以前のOSでもaudacityは動作できるが、ver,1.3.8以降では動作保障やスピード  上の問題で実用的ではないと思う。  XPが動作できる(主に実装メモリー128MB以上)構成であれば、一応動作は可能。  CPUはペンティアム3以上(または互換)、クロック1GHz以上・・・。 ○USB2.0以上を複数装備(必要な場合はIEEEポートも)  audacityをファイル入出力で使用したり、USBオーディオインターフェースなどを  接続するのに必要。USB1.1しかない場合、とてつもなくファイル転送に時間がかか  るので、推奨しない。またPCMCIAカードによるUSB2.0では十分な速度が出ないこと  もあるのであまり推奨しない。 ○メモリーは上限まで実装すると、ver,1.3.8以降ではキャッシュとして使用され、  録音再生のパフォーマンスが向上する。(要キャッシュ設定) *参考までに筆者が日常よく使用している機種では、  一世代前の法人向けモデルPC:NEC VY10F/B Pen M 1GHzで、大して速くもないが  メモリーはオンボード256MB+1GB(カタログ上は512MBが上限だが、16枚チップは  搭載可能)、HDDはWD320GBまたはHDG180GB、グラフィックチップセットがATI−  RADEON7500で、もともとデュアルディスプレイ、縦位置使用可能とAudacity向きで、   この原稿から簡単なAudacityの処理までを受け持たせている。またIEEE1394ポート  も備えている。   2010年4月時点での相場はHDD無し、ジャンク残骸レベルで2〜3千円、OSリカバリ  済みの完動作品で1〜2万円程度だろう。能力の割りに価格が安いのには理由があり、  ほぼ全機について、マザーボード上のコンデンサの一部に不良があり、いずれは「必  ず」このコンデンサ(SMD積層セラミック4.7μF/25v 全部で17個)が焼損する運  命にあるためで、その交換が自力でできる方には大変お買い得だろう。筆者は  かなりの台数所有している。 *参考までにデュアルモニターの設定について、(Windows XP proの場合)  ディスプレイを接続(D-sub15ピンまたはDVI端子)し電源投入  コントロールパネル→画面→設定 で、ディスプレイの選択ボックスで「2」を選択  このときに「Windowsデスクトップをこのモニタ上で移動できるようにする」にチ  ェック。このチェック項目が無ければ、デュアルディスプレイはできない。  チェックするとデュアルディスプレイモードになっている。  それぞれの解像度を設定し、設定画面の「モニタ配置のレイアウト画面」のそれぞ  れのモニタをドラッグし、位置関係を設定する。  ATIドライバの場合は、「詳細設定」の中に「回転」があるので、縦位置にする場合は  その設定で画面を縦位置する。(ちなみにモニタの接続前には、セカンドモニタに  ついてATI詳細設定はできない)   この設定で巨大縦2画面表示が可能になる。 ○光学ドライブ  内蔵していると嬉しくなるが、寿命に近づいていることも多く、中古の場合正常動  作を期待してはいけない。また、汎用のスリムドライブと交換しても正常認識でき  ないことが多く、結局外付けでDVDスーパーマルチドライブなどを付けることになる  だろう。(その選択の方が安価で、高速で、高品位)  フロッピーディスクドライブも、現在ではまず使用することは無いだろう。  仮に過去の資産がフロッピーディスクで大量にあるなどの場合は、USBに対応の  フロッピーディスクドライブのリースバック品などが大量に出回っているので、  それらを別途に用意するほうが得策と言える。同様にMOドライブやZIPドライブも  同様にUSB対応ものを見つけると良いだろう。これらのUSB対応モデルはいずれも  ほとんど末期の製品で、多くの場合専用ドライバの必要なく使用できる。それらの  資産を持っていて、リースバック品などを取り扱っている店舗を知っている場合、  今が買い時かも。   共通して言える事は、ノートPC本体に内蔵されていることはあまりメリットがなく、  むしろ外付けで最新のものを利用する方が得策ということになる。またこれらの  装置を内蔵していないモデルは、軽く機動性があり、また相対的に故障も少なく、  中古価格も安価だ。 ○上記とも関係が深いが、個人向けに開発されたモデルよりも、法人向けに作られた  モデルにそのようなものが多く、また連続使用(24時間電源入りっぱなし)を前提に  設計されているし、一般的に機械的強度も高い傾向がある。そのような機種のリー  スバック品が狙い目だろう。  *一部の機種には固有のウィークポイントがあり、その問題に自分で対処できる場合、  格別な低価格で購入できるものもある。ネット上には様々な情報があり、受身に物  品を購入するだけでなく、それらの情報をもとに(あるいは自分で開拓し)工夫する  ことで物品を安価購入できるだけでなく、様々な問題にも対応できるようになったり  するものだ。   また同じハードウェアを複数容易するなら、内蔵ハードディスクや部品は共用する  ことが出来る(道義的には不法な行為だとか・・)。スペアがあることは心強く、  思い切った作業を心行くまでできる。 ○ハードディスク  中古ハードに付いているハードディスクドライブは、どれほどの寿命があるのか  不明なことが多く、信頼性や速度の点で、新品のドライブに交換することを  強く推奨する。   容量はマザーボード(本体のチップセット構成)による制限があることがあり、  120GB以上のドライブが使用できないことがある。   使用できない場合でも、その兆候がすぐに現れないので注意する。ハードディス  クの140GBより後の物理位置に、読み書きが正常に出来れば問題ないのだが、例えば  システムアーカイバーのアクロニス・トゥルー・イメージなどを使用している場合、  このソフトが作成するセキュア・ゾーンと呼ばれるリナックス・パーテーションは  必ずドライブ末尾の物理位置に作成されるので、そこへの読み書きが正常かどうか  で判別することができる。   中古のPCに適合するものはIDEインターフェース(現在のほとんどのモデルはS-ATA  インターフェース)のことが多いが、一時IDEのものは即座に無くなるとされていた  が、意外と根強く供給が続いている。 ○バッテリー  ほとんどの中古でバッテリーは保障対象外で、しかも十分な容量が残っていることは  稀だ。多くの場合バッテリーはリチウムイオン型で、多少の半田付けの覚えがある人  は内蔵バッテリーセルの交換を考えるが、多少程度の半田付けレベルの方には「絶対」  に止めておくよう警告する。腕の一本くらいは吹き飛ばすほどの爆発(もちろん死亡  することも)が容易に起こることを知るべきだろう。そんなもので社会は支えられて  いるのだ。   このセルを交換する専門業者があり、近年は交換料金も比較的安価になってきたの  で、そちらをあたってみることをお勧めする。 ○筆者はリナックス環境ではないので、断言できないが、audacityを作動させるのに  WindowsよりもLINUX環境の方が高品位との意見もある。このテキストではWindows  環境で動作できる「そのほかの有用なソフト」の紹介が、大きなウエイトを持ってい  るので、随分読み替える必要があるが、audacityを動作させる選択肢の一つとしては  有用なものと思う。